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2008年3月 2日 (日)

熱狂!GS図鑑:黒沢進

日本のロックやフォークについて調べたいときに、故・黒沢進さんの研究成果には本当に助けられます。その業績には、尊敬の念を禁じ得ません。

僕が、初めて出会った黒沢さんの本は、「熱狂!GS図鑑」です。黒沢さんにとっても、初めての商業出版でした。内容は、GSの「全ての」グループを紹介するもので、そのシングルとアルバムをジャケット写真、収録曲込みで網羅し、既に「完璧な」研究本となっています。この本が出た当時、GSは、いわゆるミッシングリンクで、日本のロックやフォークの歴史をさかのぼるとたどり着くにもかかわらず、正確な情報がありませんでした。懐メロやアイドル、独特の世界観などで語られることはあっても、このように研究の対象とされることがなかったのです。例えば、細野晴臣さんや松本隆さんが在籍した「エイプリルフール」の前身はGSの「フローラル」であることや、高橋幸宏さんが兄の在籍したGSの「フィンガーズ」の臨時ドラマーをやっていたことなどは知られていましたが、その「フローラル」や「フィンガーズ」のメンバーやレコードなど、ほとんど不明の状態でした。それが、この本の登場により一変しました。とにかく、グループ数の多さと多様さに圧倒されました。また、当時、「とんねるずのオールナイトニッポン」で、所属事務所AtoZの社長の秦野さんがエドワーズに在籍していた話が出たときに、この本で確かめており、業界にもその価値が浸透していたと思われます。「熱狂!GS図鑑」は、何度読み返したかわかりません。僕にとって、GSと言えば、黒沢進さんであり、「熱狂!GS図鑑」なのです。

この本に、黒沢さんの略歴が紹介されています。「1954年9月秋田生まれ。中央大学文学部社会学科卒。中学時代にGSブームが到来。完璧に夢中になった。GSと名のつくものは片端からすべてエア・チェックし、メモをとるというクライ中学時代を送る。70年、ブームの終焉とともに音楽への興味が薄れ(早川義夫・高田渡を除く)、音楽と遠ざかっていった。80年、ふとしたきっかけで再びGSに目覚め、以来GS研究に寝食を忘れて没頭。特にB級GSに関しては他の追随を許さない。82年『資料日本ポピュラー史研究(上巻)-ロカビリー~エレキ編』、83年『同(下巻)-GSとカレッジフォーク編』、85年『同(補巻)』を自費出版。“B級GS”なるものの仕掛け人。」また、「日本の'60年代ロックのすべて」では、「日本ロック史家」として、次のように記載されています。「1954年9月5日生まれ。日本のロック史の中でも古代史(ロカビリー)と中世史(GS)が専門で、近代史(はっぴいえんど登場以降)や現代史(パンク/ニューウェイヴ以降)はよく知らない。」 ただし、黒沢さんの「知らない」のレベルはかなり高いと思われます。

Mr02022 熱狂!GS図鑑

著者:黒沢進

徳間書店

1986年1月31日

まえがき

1 実力派GS

正統派音楽少年GS

  • アウト・キャスト
  • ビーバーズ
  • 4・9・1
  • タックスマン
  • リンド&リンダース

ニュー・ロック参入GS

  • ゴールデン・カップス
  • ズーニーヴー
  • サムライズ
  • ハプニングス・フォー
  • モップス
  • フラワーズ

2 坊ちゃんGS

  • ヴィレッジ・シンガーズ
  • ランチャーズ
  • フィンガーズ
  • サベージ
  • ワイルド・ワンズ
  • サニー・ファイブ

3 GS源平の戦い

二大老舗GS スパイダースVSブルー・コメッツ

  • スパイダース
  • ブルー・コメッツ

二大人気GS タイガースVSテンプターズ

  • タイガース
  • テンプターズ

和製カーナビーサウンドの両雄 カーナビーツVSジャガーズ

  • カーナビーツ
  • ジャガーズ

二大エレキGS バニーズ(テリーズ/フェニックス)VSシャープ・ファイブ(シャープ・ホークス)

  • バニーズ
  • テリーズ
  • フェニックス
  • シャープ・ファイブ
  • シャープ・ホークス

二大R&Bバンド ダイナマイツVSボルテイジ

  • ダイナマイツ
  • ボルテイジ

4 泡沫GS

キッチュなGS

  • オックス
  • ライオンズ
  • ナポレオン
  • ムスタング
  • シルビーフォックス

クラウンGSの四天王

  • レインジャーズ
  • クーガーズ
  • ジェノバ
  • プレイボーイ

5 アイドル・ファッション志向GS

おしゃれなGS

  • ピーコックス
  • フローラル
  • アダムス

第三世代のGS

  • ヤンガーズ
  • リリーズ
  • ブルー・インパルス

末期アイドル志向GS

  • ピーターズ
  • PSヴィーナス
  • オリーブ
  • ブレイズ

6 悲しきシングル一枚GS

  • ニュー・ジャガーズ
  • ガリバーズ
  • スケルトンズ
  • フレッシュメン
  • ターマイツ
  • ブラック・ストーンズ
  • シェリーズ
  • ビップス
  • ギャロッパーズ
  • クローズ
  • モージョ
  • スピリッツ
  • ラヴ
  • スコーピオン
  • マミーズ
  • サン・フラワーズ

7 異色編成GS

異色編成GS

  • ワンダース
  • ホワイト・キックス
  • ジェット・ブラザース
  • ムーンドッグズ
  • シルクロード

外人GS

  • スーナーズ
  • クラックナッツ
  • ハーフ・ブリード
  • リード

8 歌謡曲に近いGS

限りなく歌謡曲に近いGS

  • パープル・シャドウズ
  • ファンキー・プリンス
  • ダウン・ビーツ
  • デビィーズ
  • レモン・ルーツ
  • ベアーズ
  • ハイローズ

ロカビリーの匂ひのするGS

  • スウィング・ウエスト
  • ヴァン・ドッグス
  • ブルー・ファイヤー
  • ブルー・ジーンズ

9 無志向or無節操GS

なんとなくGS

  • アイドルス
  • エドワーズ
  • サマーズ
  • ルビーズ
  • バロネッツ
  • ポニーズ
  • キングス

無節操転向GS

  • レオ・ビーツ
  • リバティーズ
  • リンガース
  • ブルー・シャルム
  • アップル

アングラブーム便乗GS

  • ジャイアンツ
  • ダーツ
  • フィフィ・ザ・フリー
  • イーグルス
  • トーイズ
  • スカイ・ホークス

レコードを出していないプロ級GS

10 GSの歴史とその周辺

  • グループ・サウンズの短い歴史と豊穣な音楽
  • <寺内タケシとブルー・ジーンズ>とエレキ時代
  • 加山雄三そして<一人GS>
  • 若者の唄!カレッジ・ポップス
  • ニュー・ロック1969
  • ジャックス1986
  • GS情報

あの袋小路さがたまらない(近田春夫)

GS・OBインタビュー

  • ジャリトラ屋覚悟でがんばった 湯原昌幸
  • 「あの時みんな若かった」 かまやつひろし
  • 手応えを感じたキャンプ廻り 司薫
  • 母の口すさんだ唄が頭にあった 加藤ヒロシ

GS音楽講座

  • Ⅰ 数々の音楽的実験に満ちていたGS 難波弘之
  • Ⅱ レコード会社の体質を買えたGS 橋本淳

GS I LOVE YOU

  • ファッション史を塗りかえたGS 川本恵子
  • 初めての「少年歌謡」と団塊の世代 秋山道男
  • GSもウラから見れば楽しめる 鈴木慶一

GSギターカタログ 解説:佐々木勝俊

60年代から80年代までの「今」をむすぶ 稲増龍夫

コラム